vol.16 「ぼいちゃげる」編
2010年11月10日
おい、コラ、待て待て。第16回の放送は「ぼいちゃげる」です。
vol.16 「ぼいちゃげる」編 テキスト
- おがっち
- 「ぜんぜんまいこぉ~」
ごきげんよう、おがっちです。この番組は島根県松江市のWillさんいんスタジオからお送りしています。
今日のお題は出雲弁で「ぼいちゃげる」です。「ぼいちゃげる」とうのは、追いかけるという意味です。
出演はいつものように安来のおじ、浜田真理子そして、私おがっちです。それでは「ぜんぜんまいこ」いってみましょう! - おがっち
- さっ、今日は「ぼいちゃげる」。追いかける。出雲弁で「ぼいちゃげる」って、
- 安来のおじ(以下、おじ)
- ふ~ん。
- 浜田真理子(以下、真理子)
- ふふふふっ。
- おがっち
- もうぜんぜん、聞いたニュアンス何?って感じて言われそうですが。
- 真理子
- 想像もできんよね。
- おがっち
- 追いかけるなんですよねぇ。
- おじ
- ふんっ。追いかける、ねぇ~。
- おがっち
- 「ぼい」だけんねぇ~。
- 真理子
- 「ぼいちゃ」
- おがっち
- 「ぼいちゃ」だけんねぇ~。
- 真理子
- 外国語みたいな。
- おがっち
- ボイパみたいな。へへへへへっ。
- 真理子
- ふふふっ。
- おがっち
- トゥク・トゥ・トゥ・トゥ~。
- おじ
- はっ?何??ちょっと、もっかい(もう1回)やってみて!今の。あのボイパァ~、やってみてぇ~。。
- 真理子
- へへっ、今のなんだったぁ?
- おがっち
- ボイパ。
- 真理子
- ふふふ。
- おがっち
- トゥク・トゥ・トゥ・パー。
- 真理子
- ふ・ふっ・ふぅ~。。
- おじ
- なんだそら。
- おがっち
- 光栄です!浜田真理子さんとボイパができて。
- 真理子
- やまばとでした。
- おがっち
- まだやっとらい。
- 真理子
- まだやっとる。
- おがっち
- ということで、「ぼいちゃげる」
- おじ
- あぁ~。
- おがっち
- 追いかける。
- おじ
- 「ぼいちゃげ」られた経験ある?
- おがっち
- 「ぼいちゃげ」やことかよくしたがぁ~。
- 真理子
- 「ぼいちゃげ」やこ
- おがっち
- 追いかけっこ。
- 真理子
- ねぇ、ケイドロってしたぁ?
- おじ
- はぁ?警察と泥棒の略だね、それは!
- おがっち
- 警泥!
- 真理子
- 「おっ、警泥さこいや!」みたいな。
- おじ
- ほぉ~~。かっこつけちょ~。
- 真理子
- かっこいいでしょ!一応、略してね。
- おがっち
- 子どもの頃の遊びでね。
- 真理子
- あの~、学校の中とかでやるんじゃなくて、町でやるっていう。
- おがっち
- いや、町中のひとだけんねぇ~。
- おじ
- なに、警察が泥棒を捕まえるわけ?
- 真理子
- ただ単に、鬼ごっこなんだけど、二手に分かれて、警察のほうと泥棒のほうに。泥棒になったほうが、逃げるという。
- おじ
- ふぅ~ん。
- 真理子
- だから、町を使うので、誰かの住んでる近くとか、
- おがっち
- うんうん。
- 真理子
- どこまででも逃げれて、
- おがっち
- 逃げられるがぁ。
- 真理子
- だんだん、たいぎになって。
- おがっち
- 人ん家とかあって。
- 真理子
- 「うん、もうやめるかぁ~」みたいになって、
- おがっち
- 捕まえられずに。
- 真理子
- 途中で帰ったりとか。
- おじ
- あの、かくれんぼとかでもあ~ねぇ~。
- 真理子
- うん、あるある。
- おじ
- 見るけ~のが、たいぎになって帰られる。
- 真理子
- たいぎ、たいぎ。
- おがっち
- 帰られるときがあるがぁ。
- おじ
- か、どげさもない。
- おがっち
- むなしいがぁ。
- 真理子
- 学校とか、神社の境内とか、そういう囲われたとこでやると、なんか終わりがあるけど、
- おじ
- ふん。
- 真理子
- もう、結局、道をバァ~と子どもが「ぼいちゃけ」っこして走ってる感じ。今、見ないけど。
- おじ
- 見ないねぇ。
- おがっち
- 見ないねぇ。
- 真理子
- 見ないねぇ。
- おがっち
- 「ぼいちゃげ」やこ、やれよ!おまえやつ。
- 真理子
- 警泥やれよ!
- おじ
- はぁ~。
- おがっち
- 鬼ごっこやれよ、みたいなですね。安来のおじ、「ぼいちゃげ」られたことある?
- おじ
- いやぁ~~、「ぼいちゃげ」られたことは、特に...。
- おがっち
- 「ぼいちゃげ」たり。
- 真理子
- 「ぼちゃげる」イメージではないよね?安来のおじ。
- おじ
- そうだねぇ~。
- 真理子
- 走るイメージじゃないっていうか。
- おがっち
- 走るイメージないよねぇ~。
- 真理子
- ふふっ。
- おじ
- 走るのはね...、
- おがっち
- 走るの速い?
- おじ
- あのぉ~~~、遅い!!
- 真理子
- お前、足速い?
- おじ
- 真理子、お前、足速かった?
- 真理子
- いや。
- おじ
- ぜったい、遅かったはずだね!!
- 真理子
- なんで分かる?
- おがっち
- へへへへへっ。
- おじ
- なんかあの、
- おがっち
- 運動会の花形には、ならんタイプだなっ。まっ、おれもだけど。
- 真理子
- チアリーダー?どっちかっていうと。
- おがっち
- おれも、チアリーダー、チアリーダー!そこでしか、活躍できらんがぁ。
- おじ
- だれんも、100メートル何番だった?
- 真理子
- 100メートル...、あった?
- おがっち
- ってか、そもそも選手にもなれんかった。
- おじ
- 運動会で。運動会のとき、100メートル走ったら、何番ぐらい?
- 真理子
- 4番とか。
- おじ
- ほぉ~。
- 真理子
- 5番とか。
- おがっち
- 5人とか、6人で走ったら、後ろの二人みたいな。
- 真理子
- なんか、ドベじゃないけど、
- おじ
- ふん。
- 真理子
- なんか、
- おがっち
- 後ろよりチームみたいな。
- 真理子
- 真ん中より後ろ。ふふふふふっ。
- おがっち
- ぜったい先にテープを切れん人たち。
- 真理子
- そうそう。むしろ、体育委員で、テープ持っとる人みたいな。
- おがっち・真理子
- ふふふふふっ。
- おがっち
- むしろ、ポンポン持って「がんばれぇ~」とか言っちょる人みたいな。
- 真理子
- 踊っとる人。
- おがっち
- 踊っとる人みたいな。
- おじ
- 跳び箱、できた?
- 真理子
- 私、体操部だったけん、跳び箱は得意だったにぃ。
- おじ
- あぁ!そげだった。
- おがっち
- 体はやわらかいわね。
- 真理子
- そうそうそう。今、かたいけど。
- おじ
- あのぉ~、ぐるぐる転が~こともできる?
- 真理子
- 転がる??
- おがっち
- あの、ジャンプして、こぎゃんこと...。こぎゃんことって!
- 真理子
- なんか一応、丸めちょ~。
- おがっち
- 宙返りみたいな。
- 真理子
- まぁ~、しとったけどね。
- おがっち
- かっこえぇ~!
- おじ
- おがっちさんも、丸まろうと思っても、丸まれんね。
- おがっち
- 丸ま~し!
- おじ
- 体は丸いけど、丸まることができん。
- 真理子
- 雰囲気はでとったけど。丸い。
- おじ
- あの、団子虫みたいに、こぎゃんことなる?
- おがっち
- 団子虫ならんし、大人になってから!
- 真理子
- 団子虫って、おる?方言じゃない?団子虫っておる?
- おがっち
- 団子虫っておるでしょう。
- おじ
- おるじゃない?
- おがっち
- あっ、また虫の話は「ぞんぞがさばる」わぁ。
- おじ
- ちょっと真理子さん、団子虫みたいに、ちょっと丸くなって。
- おがっち
- ははっ。
- おじ
- おぉ~~~~~!!!!!
- おがっち
- かっ体、やわらかいねぇ~!!
- 真理子
- いやっ、そんな!
- おがっち
- ポッドキャストをお聞きのみなさんには、ちょっとお見せできないのが残念だけど。
- おじ
- おがっちさん、ちょっと今の同じことやって。
- おがっち
- へへへへへっ。
- おじ
- なんか直角...。
- 真理子
- はははははぁ~。
- おがっち
- ...かたい。ジム行っちょ~にぃ、かたっ。ふふふふふっ。
- 真理子
- 筋肉はある?
- おがっち
- 筋肉?...いやっ。まだ自分の年相応にならん。ふふふふふっ。
さぁ「ぼいちゃげる」。 - おじ
- 「ぼいちゃげる」ねぇ。特にないけど。
- 真理子
- 私あるわ、そういえば!
- おじ
- なにぃ!?
- 真理子
- 「ぼいちゃげ」られたこと。
- おじ
- うっそ!
- 真理子
- お巡りさんに!
- おがっち
- えぇ~~~!なんでぇ~。
- おじ
- はぁ~~~っ!?
- 真理子
- なんか、スクーターで、大学生のとき走っとったときに。あの~、メーターが壊れちょって、
- おじ
- ふんっ!
- おがっち
- 自分の乗っているバイクのメーターが壊れていて。
- 真理子
- で、壊れたまま走ってたら、なんか黒バイってあるが。
- おじ
- 黒バイ??
- 真理子
- 黒バイって言うがん。お巡りさんの黒いバイク。スクーターみたいな、カブみたいな乗っとらいやつ。
- おじ
- あぁ~~、はぁっ。
- おがっち
- お巡りさん用。
- 真理子
- そうそうそうそう。あれの人が、1回私を抜いて行ったんだけど、そのときにチラッとメーターを見られてしまって。
- おがっち
- そんな、見れ~もんだぁ?
- 真理子
- みたいだよ。
- おじ
- すっごい、なんか。
- 真理子
- そんで、その人抜いたくせに、1回なんかどっかで回って、また後ろから来なって。
- おがっち
- 「ぼいちゃげ」られた!
- 真理子
- そう!
- おじ
- そぉ~でぇ~!?
- 真理子
- あのお巡りさん、さっき抜いた人じゃないの?って
- おじ
- そのときドキドキドキドキ...。
- 真理子
- ドキドキした。で、ちょっと逃げようと、
- おじ
- 逃げよう!?
- 真理子
- だって、メーター壊れとったの知っとったけん、ヤバいと思って。気のせいかもしれんけど、違うお巡りさんかもしれんけどと思って、でもここは一応まいたほうがいい!みたいな。
- おがっち
- あははっ。
- おじ
- なぁ~にぃ~!!!!!
- おがっち
- 「ぼいちゃげ」られたので。
- 真理子
- 「あっ、なんか察だぁ!」なんかそう思ってしまうがん、ドラマのなんか。
- おがっち
- 「あっ、察だ!逃げよう!!」みたいな。
- 真理子
- 何にもしてないのに。それで、そしたら、やっぱり追いつかれてしまって、
- おじ
- はぁっ。
- おがっち
- うん。
- 真理子
- まっ、スクーターだからね。で、「ちょっとメーター見せてくれる?」って言われて。
- おじ
- マジっ!?
- 真理子
- がぁ~ん!みたいな。で、整備不良っていうので、減点になった。「普通そういうのならんよぉ~」ってみんなに言われたけど。
- おじ
- はぁ~、すっごいねぇ。
- 真理子
- いや「今から、修理に行くところです!」とか言ったんだけどね。
- おじ
- はぁっ。しゃんもん、嘘に決まっちょ~がや。
- 真理子
- ダメでした。
- おがっち
- あははは、それはドキドキするねぇ~。お巡りさんに「ぼいちゃげ」られたら、ドキドキするわな。
- おじ
- そりゃそげだ。
- 真理子
- カーチェイス!?
- おがっち
- いやっ!
- 真理子
- 違う!?
- おじ
- そぎゃんなんか、黒バイとなんかメーターのめげたやなバイクと、
- おがっち
- ぜんぜん、スリルじゃないけど、ホントは。
- 真理子
- よくあるが、アメリカとかで、カーチェイス。
- おがっち
- あたし、あるぅ~。「ぼいちゃげ」られた。
- 真理子
- 誰に??
- おがっち
- なんか、あのぉ~、
- 真理子
- 変な人?
- おがっち
- 変な人に。あの~、あたし短大の頃にバイトしちょって、あの~前あった平田一畑ストアの2階みたいなとこで。
- 真理子
- ふふふふふっ。
- おがっち
- 食堂で。
- 真理子
- うん。
- おがっち
- で、食堂でバイトしとって。
- 真理子
- お客さん?
- おがっち
- お客さんのおっつぁんが、いつも晴れとってもカッパ着て、いつもそれこそ普通のバイクで、スクーターみたいなバイクで来ちょ~なって。晴れとってもカッパ着ちょらいて、晴れとってもヘルメット被っちょらいて、家の中に入ってもヘルメット被っちょらいて。
- おじ
- ちょ、ちょ、ちょっと待った。あの~、晴れちょってもカッパというのがおもっせね。河童はぁ~、
- おがっち
- で、「あのおっつぁんなんだぁ~かぁ~」って言いながら、いっつも私、
- おじ
- 河童は晴れちょったら、皿が干からび~へん?
- おがっち
- いやいやいや。
- おじ
- 河童の皿。
- 真理子
- 河童が服なんじゃないの?
- おがっち
- いや、だから!あのぉ~、雨具ね。晴れていても雨具を着て入ってこらいて。
- おじ
- そうで、ヘルメット?
- おがっち
- いつもウエイトレスを私がしちょるけん、私めがけて「オムライス!」とか。他のおばさんおらいのに、私めがけて「ラーメン!」とか。
- 真理子
- 可愛かった、可愛かった、可愛かったけん。
- おがっち
- うん。ミニスカートはいちょっったし、当時。へへへっ。
- 真理子
- 田代美代子みたいだったけん。
- おがっち
- ウエイトレスでミニスカート。かわいいフリフリエプロンだったに、そこ。
- 真理子
- メイド風だね。
- おがっち
- 毎日こらいし、毎日そげやって。で、「あんたは家どこだね?」とか聞かれちょって。当時、そんな個人情報なんかフツーにしゃべ~がぁ~。
- 真理子
- うん。
- おがっち
- 「あすこの町ですわね」みたいなこと言っちょったら、「あっ、そげかねぁ~」みたいな。メモっちょらいて。
- 真理子
- 絶対、変!
- おじ
- さっ、なんか集金のおっつぁんじゃないの?ヘルメット被ったまんま。
- 真理子
- あははははっ。
- おがっち
- 「あ~、あすこかねぇ~」って、私も、
- おじ
- メモするなんて、プロ的な!
- おがっち
- で、かぁ~にぃ~、ある日、うちすごい山の中腹くらいにある田舎にあるんだわね、家が。で、知らん人が来たらすぐ分かるんだわね。だけんいつも、見慣れない人が来ると、
- 真理子
- 村人じゃないみたいな。
- おがっち
- そうそう。よそ者が来た!みたいな。で、怪しい晴れとっても合羽を着た、ヘルメットは被らないけんけど。合羽を着たおっつぁんがヒュ~っなんて、うち等辺の道に入ってこらいて。
- 真理子
- うん。
- おがっち
- もう、私なんかその瞬間に「おっ!変だ!!」っていうその空気があ~がね。で、か、逃げらんといけん。私「ぼいちゃげ」られとる、あのおっつぁんにとか思ってぇ、
- 真理子
- うんうん。
- おがっち
- 私は走って逃げちょってぇ~。
- 真理子
- んふふふふっ。遅かった、足が?
- おがっち
- そのおっつぁんはバイクだがね、みたいな。
- 真理子
- あっ、え~っ。
- おがっち
- 「ぼいちゃげ」られてかぁ~にぃ~!でも、うち山がいっぱいあ~けん、すぐに別のところから家に入られるんだわね。そのおっつぁん、なんかやって来て、
- 真理子
- まいたぁ?
- おがっち
- ちょうど、お父ちゃんがおらいて「何事ですかね?」って。「ここに若い、20歳ぐらいのお嬢さんがおらいますでしょ?」なんて言ってこらいて。
- おじ
- うん。
- おがっち
- 「お~ますが、何事ですか?」なんて言っとらいて。「私は、あの~文通がしたくてぇ~」ってこらいて。
- 真理子
- やぁ~~~!!
- おがっち
- おっつぁんだよ!!
- 真理子
- 結構ピュアだがねぇ~。
- おがっち
- 文通。「いや、おまえさん、そげな年で、うちの子みたいな子と文通してもつまらんだないかね?」ってうちのお父ちゃんに説得されて。すこすこ帰られたけどぉ。「あのおっつぁんが来たぁ~!!」って、もうドォ~なんて、走って逃げたときの!
- 真理子
- もうそれで、諦められた?振られて。
- おじ
- ふぅ~ん。
- おがっち
- で、あんまり食堂にもこられんやになったけどね。
- 真理子
- へ~、文が見てみたかったねぇ~。
- おがっち
- ってなことで「ぼいちゃげられる」と怖いがぁ~。
- 真理子
- 怖い。
- おがっち
- リピート・アフター・ミ?
- おじ
- ふんっ!
- おがっち
- 「ぼいちゃげられる」
- おじ
- 「ぼいちゃげられる」
- 真理子
- 「ぼいちゃげられる」
- おがっち
- みなさんもお気を付けください。ってことで、ありがとうございました!
- おじ
- 「お~い、ボーイさん!君はチャゲに似ちょるねぇ。」
- 真理子
- ふふふっ。
- おがっち
- はぁ??
- おがっち
- ぜんぜんまいこ、この番組はWillさんいんの提供でお送りいたしました。
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