vol.13 「ほにょって」編
2010年9月28日
およそ2ヵ月のご無沙汰でした。第13回は「ほにょって」。久々に浜田真理子が帰ってまいりました。
vol.13 「ほにょって」編 テキスト
- おがっち
- 「ぜんぜんまいこぉ~」
ごきげんよう、おがっちです。この番組は島根県松江市のWillさんいんスタジオからお送りしています。
今日のお題は出雲弁で「ほにょって」「ほのって」とも言いますが。意味は、「やっとのことで」という感じですね。
今日の出演は安来のおじ、浜田真理子、そして私おがっちです。それでは「ぜんぜんまいこ」スタートでぇ~す! - おがっち
- さっ、浜田真理子さんお久しぶりですね。
- 浜田真理子(以下、真理子)
- はい、お久しぶりでぇ~す。帰ってきた!
- おがっち
- ねぇ~。どげしておらいましたか?
わ~やいあちこち。 - 真理子
- わ~やい、あの~、いろいろバタバタと。
- おがっち
- かっこいいよねぇ~。
- 安来のおじ(以下、おじ)
- ふんっ!どこに行っちょった?
- 真理子
- ふふふふふっ。遊んどったっていうか、寝とったっていうか。いろいろ。ゲームしとったっていうか。あははっ。
- おじ
- ふぅ~ん。
- おがっち
- あははははっ。
- 真理子
- いやいや!でも、
- おがっち
- アーティスト活動もしとられましたよね?
- 真理子
- たまにね!
- おがっち
- たまにね。へへへっ。
- 真理子
- 前回のその収録のときは、なんかライブでどっかに行っとったと思うんだけど。斉藤さんが見事に代役を。
- おがっち
- そうそうそう。
- おじ
- はぁっ?はぁ~ん。そげか!斉藤が来ちょったね。
- おがっち
- 前回ね。
- おじ
- ふんっ。
- 真理子
- 聞いたよ!
- おがっち
- 浜田さん、お忙しくて。
- 真理子
- そうそうそう。
- おじ
- そうで、
- おがっち
- 今日のタイトルは、お題は「ほにょって」=「やっとのことで」
- おじ
- 「ほにょって」ねぇ~。
- おがっち
- 「ほにょって」だわぁ~。ほんに今年の夏は、猛暑で「ほにょって」もうねぇ~。
- おじ
- あぁ。
- 真理子
- そんな風に使うの?
- おがっち
- 「ほにょって」だったわって感じ。
- 真理子
- 私ね、ごめん、「ほにょって」って知らんだった。
- おがっち
- 知らぁ~ん!?
- おじ
- ふぅ~~~んっ!?
- 真理子
- また、また知らんだった。
- おがっち
- でも、おかあちゃんは使っちょったでしょ?
- 真理子
- あの~、家で聞いたら「ほにょって」って言っちょった。
- おじ
- この「ほにょって」によく似た言葉でね、あの~あるんですよ。
- おがっち
- よく似た言葉?
- おじ
- ふんっ。「ぽにょ」って、
- 真理子
- ふふふっ。金魚?みたいな。
- おじ
- うん、そういう使い方。
- おがっち
- 「ポニョ、ソースケ、スキ~」あらっ??
- 真理子
- それ、ものまね??似ちょらんだった。
- おじ
- 「ポニョ」って一体!?みたいな感じで。
- おがっち
- へへへへへっ。
- 真理子
- 「ほにょ」って。みたいな。
- おじ
- これとはだいぶ違~ねぇ。「ほにょって」
- おがっち
- だいぶ違うよ「ほにょって」は。
- おじ
- 「ほにょって」はどういう意味だったかいね?
- おがっち
- 「やっとのことで」
- 真理子
- でもね、「やっとのことで」は分かったけど、その文の中で、どういう風に使うかがちょっと分からん。
- おじ
- あらっ、そげなの?
- 真理子
- ぜんぜん分からん。
- おがっち
- 「もう、ほにょってぇ~」「ほにょってだわぁ~。」
- おじ
- ほんなら一つ過去の経験から挙げてみましょうか。
- おがっち
- 「ほにょって」の例。
- おじ
- あの~、私が、二十歳ぐらいのヤングだった頃。
- 真理子
- おっ、おぉ!
- おがっち
- ヤングだった頃の話。
- 真理子
- もう、学生じゃない。
- おじ
- おぉ!もう二十歳ぐらいの頃にね、あの~、友達とパチンコに行きましてね。こう、あのぉ~、今とは違って新台入替なんてときがあって。
- 真理子
- 今ないの?
- おがっち
- ないの??
- おじ
- いや、あの、その当時、新台入替なんて~と、あの~、一斉に朝10時ぐらいに、みんなが入り口のところに集ま~わけですわ。
- 真理子
- うんうんうん。
- おがっち
- ほうほうほう。
- おじ
- 言っちょ~意味分かります?
- 真理子
- 意味は分かるけど、今は並ばないの?
- おがっち
- 今はないの、それ?
- おじ
- いや、今はあんま、そういう並んじょ~姿は見らんですね。
- 真理子
- まぁ、見らんねぇ。
- おじ
- そ~で、あの~友達と「行かこい!」=「行きましょう」って、行ったわけ。
- おがっち
- 新台入替へ行きました。
- おじ
- ふんっ。そげしたら、あの、「それじゃぁ、10時になりました。オープン!」なんてて、ドアが開いたら、
- おがっち
- ドアが開いたら、
- おじ
- かっ、もうみんな血がのぼっちょ~ですけんね。
- おがっち
- 早はやで。
- おじ
- もう一所懸命で、我先に、台をキープしようと、
- おがっち
- もう、バーゲンのおばちゃんみたいな感じ。
- 真理子
- へぇ~~~。
- おじ
- あぁ、そげ!もう、みんな自分の台を取るという、なんかこういう物をね、
- 真理子
- こういうってなんだね、これ。これ、扇子だけど。
- おがっち
- これ暑さ対策の扇子ですけど。
- おじ
- ライターとか、
- 真理子
- あぁ~、物を!
- おがっち
- 自分の席だっていうことを、
- おじ
- とりあえず、台に乗せ~わけですわ。分かる?
- おがっち
- 取~ったって感じですよね。
- 真理子
- なんか置いてあったら、人の席っていう。
- おじ
- そういうこと、そういうこと。
- おがっち
- いち早く自分が好きな席を確保さんといけん!と。
- おじ
- そげしたらね、あの~、ほんにどえらい勢いですわ。
- おがっち
- みんな猛ダッシュ!
- おじ
- 早こと、はやこと!
- 真理子
- あっ、そうなんだぁ~。
- おじ
- 「はやこと」って分かる?
- おがっち・真理子
- 早く、早く。
- おじ
- もう、押し合い、圧し合い。
- 真理子
- ふふふふふっ。
- おじ
- そ~で、私やつも、あまりにも、そういう経験が初めてでね。
- 真理子
- うんうんうん。
- おがっち
- 二十歳だけんね。
- おじ
- 「おぉ、凄いな!」なんて言って。
- おがっち
- おっつぁんやつの勢いみたいな。
- おじ
- もう、おっつぁんやつものぼせて取っちょって。そ~で、まぁ、あの~、ひとしきり台を取っておさまったときに、私やつはいい具合に台が取れんで。
- おがっち
- 台が取れんだった。おっつぁんの勢いに負けて。
- おじ
- ほぉ~。うろうろしちょったです。
- おがっち
- うろうろしちょった。
- おじ
- そげしたらね、
- おがっち
- はぁっ。
- おじ
- もう、本気でね、一生懸命になっちょうおっさんがおってね。
- 真理子
- 本気の人。
- おがっち
- 本気のおっつぁんがおられた。
- おじ
- とあるおっつぁんがね、もう「ほにょって」台がキープできたおっつぁんがおって。
- おがっち
- やっとのことで台がキープできたおっつぁん。
- おじ
- そのおっつぁんがね、ここにパチンコ台があ~と。
- おがっち
- 自分の前にパチンコ台があると。
- おじ
- ここに椅子があ~でしょ。
- おがっち
- 椅子があります。台と椅子の間に。
- おじ
- ここに、もう~
- おがっち
- ここにって、分からんけん。
- おじ
- たばことかライターとか置く暇もなて、そのおっつぁん。このあの椅子と台の間にこぎゃん風に挟まって、
- おがっち・真理子
- あははははっ。
- 真理子
- えっ、自分を置いたの?
- おがっち
- 自分を置いたの?とりあえず?
- おじ
- 自分はもうこの椅子と台の間に落ちてしまっちょ~わね。
- 真理子
- あははははっ。
- おがっち
- ふははははっ。勢い余って!
- おじ
- 落ちて!そうで、こっちの右手だけを、この台に、
- 真理子
- あははははっ。
- おがっち
- 台は俺の台だと。
- おじ
- こうはおらの台だぁって!
- おがっち
- 「ほにょって」
- おじ
- 「ほにょって」ですわね!よう見たら、そのおっつぁん、ここ一筋、
- 真理子
- えっ、鼻血!?
- おがっち
- 鼻血まで出しちょらいた!?
- おじ
- 鼻血出いて、おまえ、台を一所懸命取っちょらいた。
- 真理子
- 本当?今、作ってない?
- おじ
- 真の「ほにょって」あの台を取った姿を見たけん。
- 真理子
- でも、あのこの「ほにょって」っていう言葉の語感っていうか、あんま決死の感じ出てないよね。「ほにょ」力が抜ける。
- おがっち
- だけど、ふぅふぅ言って、はぁはぁ言って、もうなんとか辿り着いた状態が「ほにょって」なんですけどぉ。
- 真理子
- がんばった感じがなく、力が抜ける。
- おじ
- あっ、これ!たぶんね、あの~、今思い付いたけど、「へにょへにょ」ってから、「ほにょほにょ」になっただない?
- 真理子
- でも、「へにょへにょ」新しいでしょ?言葉的には。
- おがっち
- 「へにょへにょ」はそうだよね。
- おじ
- そうかぁ。
- おがっち
- 「ほにょって」か、「ほのって」だけんね。
- 真理子
- 「ほのって」も言うんだよね。私もそれを使いたいけどなぁ。
- おじ
- なんか使って。
- おがっち
- 使って、使って。ほんに、あの~、はぁはぁであの「その電車乗らにゃいけんにぃ~」みたいな。もうドロドロで、もうあの飛行機とかに遅れそうなときがあるが。
- 真理子
- あるあるある。
- おがっち
- 「頼む、乗してぇ」みたいな。人をへ仕分け、かき分け、がぁ~って乗って、だぁ~って入って、「あの人最後の人だわ」みたいな顔してみんなに見られるがぁ。
- 真理子
- 私、そんな風には乗らんけどね。
- おがっち
- 「ほにょって」だったわぁ~。「ほにょって」辿り着いて良かったみたいな。
- おじ
- もしかして、「ほにょって」とは「骨を折って」が短くなって「ほにょって」になっただない?
- おがっち
- わぁっ!そげだけん。
- 真理子
- うっわぁ~。そげかもっせん。
- おがっち
- リピート・アフター・ミー?
「ほにょって」みなさん、ぜひね、時間には間に合うように。 - おじ
- 勉強になったなぁ~。
- 真理子
- すごい~。
- おがっち
- 「ほにょって」=「やっとのことで」使ってみてくださいね。
「ほにょって」 - おじ
- 「ほにょって」
- 真理子
- 「ほにょって」
- おがっち
- 「やっとのことで」
それでは、さいなら。 - おじ
- 「ぽにょ」ってぇ?
金魚。 - おがっち
- まだあった、ふふふっ。
- おがっち
- ぜんぜんまいこはWillさんいんの提供でお送りいたしました。
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